【2026年版】PKの反則パターン完全ガイド|現役2級審判が全シーンを解説

PKを蹴る選手の足元とゴールキーパー、スタジアム照明 | PKの反則パターン完全ガイド

サッカーの試合で最も緊張する瞬間のひとつがPK(ペナルティキック)。

現役の2級審判員として数多くの試合を裁いてきましたが、PKの判定は毎回「瞬時に正しい処理ができるか」が試されます。特にGKのライン離れ、キッカー以外のエリア侵入、フェイントの可否あたりは、選手・コーチから質問されることも多いポイントです。

この記事では、PKで起こりうる反則パターンをすべて洗い出し、「誰が反則したか」×「ゴールが入ったかどうか」×「キッカーや得点機会に影響したか」で結果がどう変わるかを整理します。さらに、初心者の方向けの用語解説・よくある質問・試合当日に使えるチェックリストまで網羅した保存版です。

※ 本記事はJFA 2025/26競技規則の条文と1対1で照合し、2024/25改正で大きく変わった「侵入処理」「ボール位置」のルールも完全反映しています。2026年4月時点の競技規則に基づく内容です。

この記事を書いた人
高校教員 × JFA公認2級審判員 × C級コーチ。神奈川県を中心に年間数十試合を担当。Instagram「サッカー審判のリョータ」(フォロワー1,000人超)で審判向けの実践情報を発信中。

目次

【初心者向け】PK関連の用語を先に整理

PK関連で混同されやすい3つのエリアを、先に整理しておきます。

ペナルティエリア

ゴールから16.5m離れた位置を横切る線で区切られた長方形のエリア。このエリア内で守備側が直接フリーキックに該当する反則を犯した場合がPKの条件になります(押す、引っぱる、ハンドなど)。

ペナルティマーク

ゴールラインから11m離れた、PKを蹴るポイント。ここにボールを置いて蹴ります。

ペナルティアーク(”D”)

ペナルティマークを中心とした半径9.15mの円弧。通称「D(ディー)」と呼ばれる部分です。

なぜこんな半円があるのかというと、競技規則第14条で「PK時、キッカーとGK以外の選手はペナルティーマークから少なくとも9.15m離れなければならない」と規定されているから。アークはこの「9.15mライン」を可視化するためのマーキングで、「アークの内側=立入禁止ゾーン」というわけです。意外と見落とされやすいので、主審は笛を吹く前に必ずチェックしましょう。

この3つを区別できると、以降の反則パターンが格段に理解しやすくなります。

PK開始前に満たすべき条件

反則パターンに入る前に、PKが正しく行われる前提条件を確認しておきます。ここがあいまいだと、何が反則かの判断もズレます。

項目 条件
ボール位置 ペナルティーマークの中心にボールの一部が触れるか、かかっている状態で静止(※2024/25改正で厳密化)
キッカー 1人に明らかに特定されていること
GK キックの瞬間、少なくとも片足の一部がゴールラインに触れているか、ゴールライン上方(空中可)、または後方にある
その他の選手 ペナルティーマークから少なくとも9.15m離れる(=アークの外)/ペナルティーマークの後方/フィールド内/ペナルティーエリアの外
キック方向 前方のみ(ボールが前方に動けばバックヒールも可)

2024/25改正で「ボール位置」のルールが厳密化されました。改正前は「ペナルティーマーク上に静止」という大まかな表現で済んでいましたが、現在は「ペナルティーマークの中心にボールの一部が触れるか、かかっていなければならない」と明確に定められています。マークから少しでもズラして置こうとすると、主審から置き直しを求められます。

なお、ボールがインプレーになるのは「キッカーがボールを蹴って明らかに動いた瞬間」です。本記事の以下の反則パターンは、原則として「ボールがインプレーになる前」の侵入や反則を扱っています(蹴った後にエリア内に走り込むのは反則ではありません)。

【最重要】2024/25年改正で「侵入=即やり直し」ではなくなった

PKの反則処理を理解するうえで、2024/25年競技規則改正は避けて通れません。改正前は「侵入があったら、ゴール時はゴール、ノーゴール時はやり直し」というシンプルな整理でした。しかし改正後は、「侵入したことでキッカーや得点機会に影響を与えたかどうか」が判定の分岐点になります。

具体的には、侵入したプレーヤーが反則として処理されるのは、次の2要件のいずれかに該当した場合のみです。

  1. 侵入したプレーヤーの存在自体が、相手のキッカーまたはGKに明らかに影響を与えた(例:キッカーが侵入を察知してコースを変えた、GKがリアクションを変えた、など)
  2. 侵入したプレーヤーがボールをプレーした、または相手とボールを争った結果、得点・得点未遂・得点機会の創出または阻止につながった(例:こぼれ球を蹴って攻撃側がもう1点取った、こぼれ球を防いで守備側が追加失点を防いだ、など)

改正の趣旨はシンプルで、「侵入があっても実害がなければ流す」という合理性です。たとえば守備側DFが一歩エリアに入っていたとしても、ボールが逆サイドに飛んでGKがセーブしたなら、そのDFの侵入は実質的にプレーに何の影響も与えていません。こういうケースを毎回やり直しにするのは、攻撃側の有利な状況(GKが完璧にセーブできた=攻撃側はセーブを覆すチャンスをもう一度もらえてしまう)を作ってしまうのでむしろ不公平、という発想です。

以下、各パターンを整理していきます。

反則パターンを「誰が」で4分類

PKの反則は、反則した人物によって処理が変わります。以下の4パターンで整理すると迷いません。

パターン①:キッカー本人の反則

反則内容 許可 処理
助走中のフェイント(一時停止、体の揺らし、緩急) プレー続行
助走完了後にボールを蹴るためのフェイント 間接FK+警告(ゴール/ノーゴール問わず)
後方へのキック 間接FK
指名キッカー以外が蹴った 間接FK+警告(ゴール/ノーゴール問わず)

ここで一番誤解されやすいのが助走中のフェイント。走っている途中で体の向きを変えたり、緩急をつけたりするのは認められています。条文上は「助走を完了した後にボールを蹴るためにフェイントをする」行為のみが反則となります。GKを欺く意図の有無は要件ではなく、「助走完了後のキックフェイント」が機械的にアウトになります。

※ キッカーの2度蹴り(インプレー後にもう一度ボールに触れる)は、2025年IFAB改正で「偶発か意図的か」によって処理が分かれるようになりました。詳しくは別記事で解説しています。

パターン②:守備側(GK含む)の反則

2024/25改正の影響を最も受けたのがこのパターンです。「侵入=即やり直し」ではなく、以下の2要件のいずれかに該当した場合のみ反則として処理されます。

  • ① 侵入がキッカーに明らかに影響を与えた
  • ② 侵入したプレーヤーがボールに関与・相手と争った結果、攻撃側の得点・得点機会を阻止した

このいずれにも該当しなければ、侵入があってもプレー続行です。

まず、GK(ゴールキーパー)のライン離れの場合:

状況 処理
ゴールが入った ゴール認める
GKがセーブした(ゴール阻止した) やり直し
外した/ポスト・バー当て GKの反則がキッカーに明らかに影響を与えた場合のみやり直し(影響なければ結果通り)

注意点として、GKのライン離れによる警告(イエローカード)は、初回は注意のみ、2回目以降から警告となります(競技規則第14条に明文化)。「ライン離れ=即イエロー」ではない点もよくある誤解です。

次に、GK以外の守備側選手のエリア侵入の場合:

状況 処理
ゴールが入った ゴール認める
ノーゴール(外し/セーブ/ポスト当て)で、上記2要件①②のいずれかに該当 やり直し
ノーゴールで、上記2要件のいずれにも該当しない プレー続行(結果がそのまま生きる)

たとえば「侵入したDFがこぼれ球をクリアした」「侵入したDFが攻撃側選手とボールを争って得点機会を阻止した」は要件②に該当します。逆に、一歩エリアに入っていただけでその後ボールに一切関与せず、キッカーの蹴り方にも影響していなければ、どちらの要件にも該当しないのでプレー続行です。

パターン③:攻撃側(キッカー以外)の反則

攻撃側のキッカー以外の選手がエリア侵入した場合も、2024/25改正で同じ構造の「2要件」整理になりました。反則として処理されるのは以下のいずれかに該当した場合のみです。

  • ① 侵入がGKに明らかに影響を与えた
  • ② 侵入したプレーヤーがボールに関与・相手と争った結果、得点・得点未遂・得点機会の創出につながった
状況 処理
ゴールが入って、上記2要件①②のいずれかに該当 やり直し
ノーゴールで、上記2要件のいずれかに該当 守備側に間接FK
2要件のいずれにも該当しない(影響なし) 結果がそのまま生きる(ゴールならゴール、ノーゴールなら続行)

ありがちなケースとしては、「攻撃側選手が侵入してこぼれ球を押し込んで得点した」は要件②に該当するのでやり直し(または間接FK)。一方、攻撃側選手がアーク内にちょっと足を踏み入れていただけでGKに影響もボールへの関与もなければ、結果はそのまま尊重されます。

パターン④:両チーム同時侵入

このパターンも2024/25改正で「影響あり/なし」分岐になりました。「両チーム侵入=結果に関係なくやり直し」というのは改正前の古い理解で、現行ルールは以下の通りです。

状況 結果
両チーム侵入・影響あり(ゴール/ノーゴール問わず) やり直し
両チーム侵入・影響なし×ゴール ゴール認める
両チーム侵入・影響なし×ノーゴール プレー続行(再キックなし)
キッカーとGKが同時に反則した場合(特殊ケース) キッカーに警告、守備側に間接FK
不正なフェイントなど、より重い反則を伴う場合 その重い反則の処理が優先される(例:不正フェイント→間接FK+キッカー警告)

実際の試合でよく起きる誤解 3選

実際に試合を担当していて、選手・コーチから「それおかしくないですか?」と言われがちな3パターンを解説します。

誤解1:GKがライン離れたら即やり直し?

違います。得点が入ったらそのままゴール。GKがセーブしたケースだけは必ずやり直しになりますが、外した・ポスト当ての場合は「GKの反則がキッカーに明らかに影響を与えた場合のみ」やり直しです。

これは「攻撃側不利益なし原則」に加えて、「実害がなければ流す」という考え方の表れです。GKが早く動いたとしても、それがキックに影響していなければプレーは続行します。

また、警告(イエロー)も初回は注意のみ、2回目以降から警告。「ライン離れ=即イエロー」も誤解です。

誤解2:助走中のフェイントはすべて反則?

違います。条文上、助走中のフェイントは認められています。アウトになるのは「助走を完了した後にボールを蹴るためにフェイントをする」行為だけ。プロの試合でもパニェンカ気味の助走はよく見ますが、あれも助走完了の前にタメを作っていれば反則にはなりません。

誤解3:エリアの外なら味方選手はどこにいてもOK?

違います。条文の規定は「ペナルティーマークから少なくとも9.15m離れる」+「ペナルティーマークの後方」+「フィールド内」+「ペナルティーエリアの外」の4条件すべて満たす必要があります。ペナルティアーク(半径9.15mの”D”部分)の内側に入っていればNGですし、ペナルティーマークより前方(ゴール側)に立つのもダメ。主審は笛を鳴らす前に必ず全員の位置を確認しましょう。

判定早見表|試合前チェック用

結局どうなるのか、1枚の表にまとめました。スマホのスクショで保存しておくと試合当日の確認に使えます。

反則した側 得点した 得点しなかった
守備側のみ・影響あり※(または
セーブ時のGK反則)
ゴール認める やり直し
守備側のみ・影響なし ゴール認める プレー続行
攻撃側・キッカー以外・影響あり※ やり直し 守備側に間接FK
攻撃側・キッカー以外・影響なし ゴール認める プレー続行
キッカー本人(不正フェイント/指名外) 間接FK+警告 間接FK+警告
キッカー本人(後方へのキック) 間接FK 間接FK
両チーム同時侵入・影響あり やり直し やり直し
両チーム同時侵入・影響なし ゴール認める プレー続行

※「影響あり」とは、次の2要件のいずれかに該当する場合を指します。

  • ① 侵入したプレーヤーの存在自体が、相手のキッカーまたはGKに明らかに影響を与えた
  • ② 侵入したプレーヤーがボールに関与または相手とボールを争った結果、得点・得点機会の創出または阻止につながった

たとえば守備側DFが一歩エリア内に入っていても、ボールが逆サイドに飛んでGKがセーブし、そのDFが一切プレーに関与していなければ、どちらの要件にも該当しないので「影響なし」となり、プレー続行になります。

実際の試合であったPKのヒヤリ場面

以前担当した試合で、PK直前に守備側DFが一歩ペナルティエリアに侵入した状態でキッカーが蹴り、ボールが逆サイドに飛んでGKがしっかりセーブしたシーンがありました。守備側ベンチからは何の声も上がらず、攻撃側ベンチからは「侵入してたぞ、やり直しだ!」と抗議が来ました。

正解はプレー続行です。2024/25年改正で、守備側の侵入は「キッカーに影響あり、またはボールに関与して得点機会を阻止した場合のみやり直し、それ以外はプレー続行」と明文化されました。このケースでは侵入したDFが完全にプレーに関与しておらず、キッカーの蹴り方にも影響していないため、結果はそのまま生かされます。

もし改正前の感覚で「侵入=即やり直し」と判定していたら、攻撃側に2回目のチャンスを与えてしまうことになり、むしろ守備側に不利な誤審になっていたところです。

正しくルールを知っていないと、抗議に押されて判定を曲げてしまうリスクがあります。PKのようなセットプレーは、審判がどれだけ条文を即座に引き出せるかで判定の質が変わります。試合前のイメージトレーニングは本当に大事です。

主審用:PK実施前チェックリスト

実際の試合でPK判定が下った瞬間、主審が笛を鳴らすまでに確認すべきことを時系列でまとめました。コピーしてスマホメモに貼っておくと便利です。

  1. ボールがペナルティマークの中心にかかって静止しているか
  2. キッカーが1名に明らかに特定されているか(背番号で覚えておく)
  3. GKの少なくとも片足の一部がゴールライン上または後方にあるか
  4. その他の選手全員がペナルティーマークから9.15m離れ、マーク後方・フィールド内・エリア外にいるか
  5. 負傷者や副審との連携に問題がないか
  6. 試合時間・追加時間の処理を整理できているか
  7. VARがある試合ならVARとのコミュニケーション確認

この7項目を30秒以内で確認してから笛を吹く、というリズムを習慣化すると、焦りや抗議に動じなくなります。

よくある質問(Q&A)

Q1. 少年サッカーでもこのルールは同じですか?

基本的に同じです。JFAの少年競技規則でもペナルティキックの反則処理はIFAB準拠です。ただし少年の大会ではペナルティマークまでの距離が短縮されるケースがあり、その場合もエリア区分の考え方は共通です。

Q2. GKが少しだけラインから前に出たくらいでも反則になりますか?

反則になります。条文の位置要件は「キックの瞬間、少なくとも片足の一部がゴールラインに触れているか、ライン上方(空中可)、または後方」です。両足とも完全にライン前に出ていれば、ズレが数センチでも位置要件を満たさず、反則が成立します。

ただし、「反則が成立すること」と「キックがやり直しになること」は別の話です。GK反則の処理は次の通り:

  • ゴールが入った:得点認める(やり直しなし)
  • GKがセーブした:必ずやり直し
  • 外した/ポスト・バー当て:GKの反則が明らかにキッカーに影響を与えた場合のみやり直し

つまり「数センチでも前に出ていたら反則」は事実ですが、結果がノーゴールでも、GKの動きがキックに影響していなければやり直しにはなりません。VAR実施試合では、わずかなライン離れも検知されてやり直しになることがあるので注意が必要です。

Q3. PK時にキッカーが転んで蹴れなかった場合はどうなりますか?

「いつ転んだか」によって処理が分かれます。

  • 助走中に転倒:キックがまだ始まっていない(ボールに触れていない)ので、再度準備して蹴り直し(やり直し)。助走中の緩急やフェイクは規則上認められています。
  • 助走完了後(蹴る動作に入った後)に停止/転倒してボールに触れていない:条文上は「ボールを蹴るためにフェイントをした」とみなされ、キッカーに警告+守備側の間接FKが原則です。明らかな事故と主審が判断すれば救済される余地はありますが、規則の建付けとしては反則扱いです。

ボールに触れた後(キックが成立した後)の転倒は通常のインプレー扱いで、結果がそのまま生かされます。

Q4. PKの反則は主審と副審のどちらが見ていますか?

競技規則第6条で副審の役割が明文化されています。役割分担は次の通り:

  • 主審:キッカーのフェイント等の反則チェック+キッカー以外の選手のエリア侵入監視
  • 副審(AR):ゴールラインとペナルティーエリアの交点に立ち、(1)ボールがゴールラインを完全に越えたか(得点判定)、(2)GKがキック前にゴールラインから離れたか、を監視

VAR実施試合では2025/26から、副審はゴールライン上ではなくペナルティーマーク延長線上(オフサイドライン)に立つ運用に変更されています。ゴールラインの判定はGLT(ゴールラインテクノロジー)やVARが担うため、副審はオフサイド判定を優先する位置取りに変わったわけです。

主審が全視野をカバーするのは物理的に不可能なので、事前のアイコンタクトと役割分担が命です。

Q5. PKの最中に強風でボールが動いてしまったらどうしますか?

キッカーが蹴る前ならやり直し(ボールを置き直す)。蹴った後に風で軌道が変わった場合はインプレー扱いでそのまま続行します。

Q6. 「侵入の影響あり/なし」って、結局誰が判断するんですか?

主審が判断します。明確な数値基準はなく、「その侵入があったことで、キッカーの蹴り方やGKの動き、あるいはこぼれ球以降の得点機会に変化があったか」を主審がその場で総合判断します。判断材料としては「侵入した選手がボールに関与したか」「相手とボールを争ったか」「キッカーが侵入を察知して蹴り方を変えたか」「GKがリアクションを変えたか」などです。

Q7. キッカーが蹴った後にエリアに走り込むのは反則ですか?

反則ではありません。本記事で扱う「侵入」は、すべて「ボールがインプレーになる前」の話です。ボールはキッカーが蹴って明らかに動いた瞬間にインプレーとなり、その後はキッカー以外の選手はペナルティエリアに入ってもOK。こぼれ球やセカンドボールへのチャレンジは通常のプレーとして扱われます。

つまり「侵入の反則」が問題になるのは、キッカーが蹴る瞬間〜ボールが明らかに動くまでのほんの一瞬。実務的には、ボールが動くより前にエリアに足を入れていた場合のみ、本記事の判定フローが適用されます。

Q8. VARはPKの侵入も対象になりますか?

VARの介入対象は「得点かどうか」「PKかどうか」「一発退場かどうか」「警告・退場の人間違い」の4つです。PKそのものの判定(与える/与えない)はVARが介入しますが、PKのキック後の侵入処理については、得点に直結する場合(ゴールが認められるか/やり直しか)に限ってVARがチェックします。VAR実施試合では、副審がペナルティーマーク延長線上に立つ運用が2025/26から正式化されています。

まとめ

PKの反則処理は、次の3つを押さえれば実際の試合で迷いません。

  1. 「誰が反則したか」で結果が変わる(キッカー・守備側・攻撃側他・両者)
  2. 2024/25改正で「侵入=即やり直し」ではなくなった。守備側・攻撃側どちらの侵入も、①相手キッカー/GKに明らかに影響を与えた、または②ボールに関与して得点機会の創出・阻止につながった場合のみやり直しや間接FKの対象になる。どちらにも該当しなければ結果がそのまま生きる(両チーム同時侵入も同じ構造)
  3. GKのライン離れは別ルール:セーブされたら必ずやり直し、外した・ポスト当ては明らかに影響を与えた場合のみやり直し。警告は初回注意・2回目以降警告

2024/25改正は「侵入があっても実害がなければ流す」という合理性を明文化したもので、実際の試合での判定の納得感が大きく上がっています。「侵入=即やり直し」と覚えていた方は、ぜひこの機会にアップデートしてください。

同じ2024/25改正で「ボール位置」のルールも厳密化され、「ペナルティーマークの中心にボールの一部が触れるか、かかっていなければならない」と明確化されました。マーク上に大まかに置くのではなく、中心にきちんとかける必要があります。

2025年にはIFABからPKのダブルタッチに関する重要な明確化も出ています。「偶発ダブルタッチならやり直し」という新しい考え方が加わっているので、こちらも別記事で解説しています。



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