CL決勝主審はジーバート。W杯落選、アトレティコ通算0勝、アーセナル4戦4勝──データで読む
2026年5月30日、ブダペストのプスカシュ・アレーナで行われるUEFAチャンピオンズリーグ決勝、パリ・サンジェルマン対アーセナル。この一戦の主審に、ドイツのダニエル・ジーバートが任命された。
5月11日にUEFAが発表した直後から、スペインを中心に議論が起きている。準決勝2ndレグ(5/5、アーセナル対アトレティコ・マドリード)でアトレティコのPKアピールを退けた判定をめぐり、クラブがUEFAに正式抗議していたためだ。スペイン紙ASは決勝での起用を「批判があるなかでのご褒美」と書いた。
ダニエル・ジーバートとは
- 生年月日:1984年5月4日(42歳)
- 出身地:東ベルリン
- 居住地:ベルリン
- 本業:スポーツ科学者
- 所属:FC Nordost Berlin(ベルリンサッカー協会)
- UEFAカテゴリー:エリート
審判活動の開始は1998年。2007年にDFB(ドイツサッカー協会)審判員に登録され、2009年に2.ブンデスリーガデビュー。2012-13シーズンからブンデスリーガを担当し、初采配はシャルケ対アウクスブルク戦だった。2015年にFIFA国際審判員に登録された際は、ドイツの国際審判員10名のなかで最年少だった。
通算スタッツ
公開されているデータは以下のとおり。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 通算試合数 | 600試合超 |
| ブンデスリーガ | 200試合超 |
| 2.ブンデスリーガ | 98試合 |
| 3.リーガ | 55試合 |
| CL通算 | 33試合 |
| EL通算 | 26試合 |
| イエロー平均 | 4.23枚/試合 |
| レッド(一発) | 通算31枚 |
| レッド(2枚目イエロー) | 通算36枚 |
| PK付与 | 0.28本/試合(通算112本) |
イエロー4.23枚/試合は、プロの審判員としては平均的な水準だ。
主要大会の実績
- 2022 FIFAワールドカップ(カタール):2試合
- EURO 2020、EURO 2024:合計5試合(EURO 2024は4試合)
- 2023年DFBポカール決勝(RBライプツィヒ対フランクフルト)
- 2023年UEFAスーパーカップ(マンチェスター・シティ対セビージャ)
- 2024年UEFAチャンピオンズリーグ決勝(第4審判)
- 2025-26シーズン UEFAチャンピオンズリーグ:9試合
UEFAクラブ大会の決勝で主審を担当するのは今回が初。ドイツ人としてはヘルムート・クルーク、マルクス・メルク、ヘルベルト・ファンデル、フェリックス・ブリュッヒに続く5人目のCL決勝主審となる。
両ファイナリストとの相性データ
ジーバートが過去に主審を担当した試合での、PSG・アーセナル・アトレティコ(参考)の戦績は以下のとおり。
| クラブ | 試合数 | 勝 | 分 | 敗 |
|---|---|---|---|---|
| アーセナル | 4 | 4 | 0 | 0 |
| PSG | 4 | 3 | 1 | 0 |
| アトレティコ | 3 | 0 | 1 | 2 |
アーセナルとの4試合は、今季の準々決勝1stレグ・スポルティングCP戦アウェイ、準決勝2ndレグ・アトレティコ戦ホームを含む。
PSGの1分はリーグフェーズのビルバオ戦(0-0)。
アトレティコは2021-22シーズン以降の3試合で勝利がない。2021-22の準々決勝2ndレグ・マンチェスター・シティ戦(0-0)、同シーズンのリーグフェーズ・リバプール戦(2-3)、そして今季の準決勝2ndレグだ。
サンプルサイズが小さく、これらの数字だけで「特定チームに有利/不利な主審」とは結論づけられない。両者の戦力差や対戦カードの組み合わせも結果に影響する。
物議の事実関係
実際にこの試合を担当していない以上、映像と公開情報だけで個別の判定の正誤を断定することはしない。
準決勝2ndレグで起きた事実
- アトレティコは複数のPKアピールを行ったが、いずれも認められなかった
- 56分のグリーズマンが絡む場面では、ジーバートはアトレティコのプビルによるアーセナルのガブリエルへの攻撃側ファウルと判定し、プレーを止めた
- 51分のジュリアーノ・シメオネが倒された場面では、オン・フィールド・レビュー後もノーファウルが維持された
試合後の動き
- アトレティコ・マドリードはUEFAに対して正式な抗議文書を提出した
- スペイン紙ASは、UEFAの決勝主審任命を「批判があるなかでのご褒美」と書いた
- 元イングランド代表のデイヴィッド・ベッカムも自身の番組で、同じ場面について「ガブリエルへのファウルではない」と話した
UEFAはアトレティコの抗議を受けた後も、ジーバートの決勝起用を変更していない。
W杯落選とCL決勝抜擢
ジーバートは2026 FIFAワールドカップ北中米大会のUEFA枠15人の審判員には選ばれていない。それでもCL決勝の主審に任命された。
FIFAの大会選考とUEFAのクラブ大会の選考は別の基準で運用されている。同じ審判員が両方に選ばれることもあれば、片方だけということもある。
決勝の審判団
UEFAが発表した決勝の審判団は以下のとおり。
| ポジション | 名前 | 国籍 |
|---|---|---|
| 主審 | Daniel Siebert | ドイツ |
| 第1副審 | Jan Seidel | ドイツ |
| 第2副審 | Rafael Foltyn | ドイツ |
| 第4の審判員 | Sandro Schärer | スイス |
| リザーブAR | Guadalupe Porras Ayuso | スペイン |
| VAR | Bastian Dankert | ドイツ |
| AVAR | Robert Schröder | ドイツ |
| VARサポート | Carlos Del Cerro Grande | スペイン |
主審、副審2名、VARの主要4ポジションがドイツ人で固められた編成となっている。
まとめ
ダニエル・ジーバートはドイツのエリート審判員としてキャリアを積んできた。直近の準決勝での判定が物議を醸し、アトレティコの正式抗議を経たうえで決勝主審に任命されている。
データ面ではアーセナル戦4戦4勝、PSG戦は1分のみで負けなし、アトレティコは通算0勝。ただしサンプル数を考えれば、これらの相性データから判定傾向を読み取ることはできない。
試合後に改めて、データと事実、UEFAの審判アセスメントの観点から検証記事を書く。
参考情報
– UEFA公式リリース(2026年5月11日)
– Wikipedia「Daniel Siebert (referee)」
– Statshub.com 審判員ジーバートの通算データ
– Football Insider, Yahoo Sports, OneFootball, Sports Illustrated, Inside World Football, Pulse Ghana, Tribuna、各メディアの報道
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